こないだ日本の財務省が観光地の文化財を所有してる寺社仏閣向けに拝観料の値上げを提案するニュースがありました。財務省としては、文化財所有者により魅力を持ってアピールして貰い、より多くの観光客を集客してインバウンド消費(旅行者の国内消費)を高めたいと言ったところでしょうか。
財務省によると、海外の歴史的建造物の入場料は、フランスのベルサイユ宮殿が約2000円、ロンドン塔は約4600円などとなっている。これに対し、日本の寺社の入場料は清水寺(京都市)が400円、東大寺(奈良市)が500円と安い。
財務省は国際比較について、「入場料に口を出すことはできないが、(魅力を高めることで)もう少し払っても見たい人がいるのではということを示唆するために紹介した」と説明している。
他国の入場料を日本人の金銭感覚から言うと、ベルサイユ宮殿はそんなもん、ロンドン塔がちょっと高いかな?ぐらいに感じると思うんですが、しかし観光旅行に行って有名な史跡、文化財を見るのに金額の多寡を気にする人はそんなにいないと思います。
そもそもそれを見に行くのに数万円以上支払っているでしょうから、数千円をケチる意識がほとんど無いはずです。寧ろ、それ位お金を支払ったという経験そのものが、帰ってきてからの土産話にもなり喜んで支払う意識すらあります。
日本国内でも国外でも旅行やレジャーに行った経験があれば、観光地は少々物価が高い(もちろん安いところもあります)という経験が、観光地価格を納得するための免疫形成に繋がっているはずです。
そんな風に考えると、わざわざ日本まで来ている外国人観光客が京都の清水寺を拝観するのに、400円だけで済んでしまうというのは破格の値段設定ではありませんか?財務省のお達しの通り、国際的に適正な価格に修正して文化財の保全・管理に役立てたほうが、後世の日本人にとってもメリットのある話なのではないでしょうか。
ただ、そこで気になるのが、遠足や修学旅行、観光で来る日本人観光客への対応です。値上げはあくまでも、従来よりもずっと多く来場するようになった外国人観光客への対応のために必要となった費用を捻出するためのものであって、日本人が日本の文化財を見るために従来よりも多額の金額を支払うのは避けるべきです。そこで是非検討して欲しいのが、日本の観光地における外国人価格の導入です。
観光客が増えるのは大変結構なことですが、観光産業に従事せずに暮らしている日本人からしたら負担になることも多いです。観光客が大挙して押し寄せて、普段している買い物が出来なくなったり、道の真ん中を広がって歩いたり、満員の通勤電車にでっかい旅行カバン持って大量に乗ってきたり、禁煙場所でタバコ吸ったり…。
何でもかんでも外国人観光客を優遇するのが「おもてなし」ではないはずです。観光客を受け入れる地元側が一方的に負担を強いられるのではなく、納得でき継続可能なものにして、日本の魅力をアピールして欲しいと思います。
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